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可愛いの? ブ〇なの? ドッチー?! むっちー!
電話から一週間後、むっちーは私の会社の寮の
最寄り駅まで列車でやって来た。
駅での待ち合わせ。
むっちーは私の顔を知っているが、私はむっちーの
顔を知らない。

可愛かったらいいけど、ブ〇ならどうする?
知らん顔をして通り過ぎるか?
ごめーん、分らんかってん。って言うか。
まったくもってヒドい男であった。
駅に電車が到着。
降りてくる乗客から若い女性ひとりを探す。
いた!あれに違いない。
心臓がバクバクする。

可愛いのか?どうなんだ?どうなのー
もっと顔見せろやー!
ダメなのか?OKなのか?どっちー?

まあまあやな…
許したろか…

あのー、むっちーさんですか?

あ、はい そうです
二十歳のむっちーはピチピチしていた。
今のムチムチとはえらい違いである。
ふたりで波の出るプールに遊びに行った。

今ではプールで海パン姿をさらすことなど
到底無理な話だが、そのころの私は
身長 176cm
体重 60kg
ウェスト 68cm
おまけにウィンドサーフィンをしていて
細マッチョの逆三角形
のチョーイケてる体型だったのだ。
昼になってプールに隣接する芝生に座って昼食
むっちーはおにぎりのお弁当を作ってきてくれた。
ふたりは初対面とは思えないぐらいに
話が弾んだ。
現在、看護師を目指して日赤の看護学校に在籍していること
来年の春に国家試験を受けること
兄弟はいなくてひとりっ子であること
好きな音楽のこと etc…

俺、この娘と結婚するかもしれん…
なんとなくそんな感じがした。

その日はむっちーと離れがたくて
むっちーの家まで高速を飛ばして
1時間かけて送って行った。
会社の寮に戻ったのは午前0時前
あの頃は若かった…
週に ”二通の手紙”
夏に付き合い始めた彼女にはお別れを告げ、
むっちーと付き合うことにした私。
今、考えればどんでもないゲス男だな。
サイテーの男。
ただ、むっちーと付き合うにしても遠距離恋愛で
そんなにしょっちゅうは会えない。
かといって、その時代に携帯などあるはずもなく。
メールやラインもない。
電話をするといえば固定電話ということになるのだが、
むっちーも寮なのでそんなに公衆電話を使えない、
私も寮のピンク電話に10円玉を積み上げて電話すること
などもそうそうはできない。
最終的にふたりの取った連絡方法というのは
文通であった(小学生かよ!)
そのころの手紙は出してから三日後くらいに
相手に届く。
むっちーと私は相手からの返事が届く前に
次々と手紙を書いて送った。
毎日の他愛もない日常のことを書いている
だけだったが、書くことは尽きなかった。
結局、交際2年間で手紙の数は約200通を超えた。
プロポーズは”Because I Love You”とともに
年が明けた3月
むっちーは無事に国家試験に合格した。
そして4月から病院勤務。
まだむっちーは21歳だった。
私は28歳。
むっちーと結婚しようと決心。
その年の6月
駐車場に停めたクルマの中でふたり
音楽は TUBE の”Because I Love You”
そしてむっちーにプロポーズ。
ここまでは本当に幸せなふたり。
何の問題もないはずだった。
しかし…
このあとに迫りくる危機をふたりはまだ知らない。
つづく
さあ、数奇な出会いの二人の運命は?!続きはコチラ↓